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ねことヘアピン

唯梓SS中心に自由気ままに綴るブログです。

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【いつもと違うあなた @後編】

【いつもと違うあなた @後編】








練習前のティータイム。温かい紅茶に甘いケーキ。
唯先輩が淹れた紅茶は、意外にもすごく美味しくて、ケーキにも合い、私はフォークがパクパクとすすんでいた。



何かさっきからずっと視線を感じる。
ここには唯先輩しかいない訳だから、犯人は先輩だろう。
私は見つめられている事に恥ずかしく思いながら、隣に座っている先輩に声を掛けた。



「なんですか?」



「んー?美味しいー?」



ニコニコと笑いながらそう尋ねてくる。
先輩のケーキを見ると、全然減っていない。まだあまり食べていないようだった。ずっと私の事を見ていたのだろうか。
私はテーブルに視線を落とし、ケーキと紅茶を眺めた後、もう一度口を開く。



「まぁ…美味しいですけど…」



天邪鬼な私は、ついムキになって微妙な答え方をしてしまった。
本当はケーキも紅茶もものすごく美味しいのに。



(正直にすごい美味しいですって言えば良かったかな…)



自己嫌悪している私を見ながら先輩はふふっと笑い、ポッケからハンカチを取り出した。




「あずにゃんバナナケーキ好きだもんね?」




そう言いながら先輩は私の頬をハンカチで優しく拭く。




「えっ…」




(私がバナナケーキ好きなの覚えててくれてたんだ…。それを知ってて…だから先輩モンブランを…)




「ほっぺたついてたよ」



私は先輩にされるがままに頬を拭かれ、先輩はハンカチをポッケにしまうとクスクスと笑った。




「あ…ありがとうございます…」



嬉しさと恥ずかしさが入り交じって、私は何とも言えない気持ちになる。
なんだかいつもと立場が逆転している気がする。
まぁ普通の先輩と後輩だったらこれが普通なんだろうけど。
今日の唯先輩は何かいつもと雰囲気が違うため調子が狂う。



「ねぇ、あずにゃん」



「は、はい…?」



呼ばれたので私は先輩の方を見て返事をした。




「“続き”したいな」




「えっ“続き”って…?あっ!」




私が“続き”の意味を思い出した瞬間「ガタッ」とイスが鳴る。
いつの間にか私は座ったまま、先輩に肩ごと抱き寄せられていた。
いきなりの先輩の行動に、私は持っていたフォークを地面に落としてしまう。




「“続き”は“続き”だよ。ほら、顎上げて?」




そう言い先輩は私の肩にまわしている腕を解き、顎にそっと手を添える。
先輩の仕草や表情が、すごく大人っぽくて私はドキドキしてしまう。




(えっ、え、なに、もしかして、もしかしなくても、キ、キ、キス!?)




「くぁwせdrftgyふじこlp;p」




もう自分でも何を言っているか分からない。
目を閉じてゆっくりと顔を寄せてくる先輩。
私の心臓は爆発寸前だった。




「ま、待って下さい!!!」




私が大声を出すと同時に、こちらに迫っていた先輩の顔の動きがピタっと止まる。




「…ん?」




「あ、う、えとあの、私まだ…こ、心の準備が出来てないので…」




ドモりすぎてうまく喋ることが出来ない。
私は消えてしまいそうな声を振り絞って先輩に伝える。




「…」




先輩は私の話を黙って聞いてくれている。
もうひと踏ん張りだ。頑張れ私。



「その…明日…あ、明日なら………ス…しても…いいです…」



そう言い終わると私は下を向いて俯く。顔から湯気が出そうなぐらいなので、きっと私の顔は真っ赤になっているだろう。
もしかしたら声が小さすぎて所々聞こえなかったかもしれない。

先輩は目を斜め上の方に向け何か考えているような顔をして、そして頷きながら私を見た。




「…うん、わかったよ」



どうやら私の言葉は通じていたらしく、そう言うと先輩は私からそっと離れた。




「さ、食べちゃおっか。練習もしなきゃいけないしね?」







その後の練習の事はあまり良く覚えていない。
ただ、私はいつもと違う先輩にずっとドキドキしっぱなしだった。













次の日の朝、私はいつもより遅めに家を出た。
何でかって?それを聞くのは野暮ってやつである。
私は唇にリップを塗る。うん、準備万端だ。後は登校してくる先輩を待つだけ…。



「あ~!あずにゃんおはよぉ~♪」



(来た!)



私は蔓延の笑みで、後ろから来ているであろう先輩の方にクルッと体ごと振り返る。




「あっ!唯せんぱ……い?」





そこには、髪は寝癖でピョンピョンと跳ね、口の横に食べカスを付けている唯先輩がいた。
おまけに昨日無かった黄色いヘアピンが復活している。



「…」




「どしたの~?」



あの食べカスはなんだろう…白くて丸くて…。
まぁそれはどうでもいい。今一番気になるのは――



「あの…先輩。そのヘアピン…」



「あ、これねっ!憂が昨日新しいの買ってきてくれたんだよ~。やっぱりこれ付けてないとね~♪」




気付いてくれたのが嬉しかったのか、先輩はニマニマと笑いながら得意げに喋っている。
私はあんぐりと口を開け、そんな先輩を見つめる。




(憂…余計なことを…)




私がボーッと放心していると、先輩は何か思い出したようなリアクションを取りこちらに近づいてきた。




「あ、そうだった!確か今日、ちゅーしていいんだよね?はい、あずにゃんむちゅちゅー♪」




そう先輩は言うと、目を閉じ「ん~♪」と唇を突き出しながら迫ってきた。
私はそんな迫ってくる先輩の体をサッと避ける。




「嫌です!駄目です!昨日言ったことは無しです!」




「えええーー!?なんでー!?」




「自分で考えて下さい!」




そう先輩に言い放ち、私はスタスタと前に歩き出す。




「ぐすん…あずにゃんが急に冷たく…ぐすん」




まだ後ろにいる先輩は、その場に座り込んでメソメソと泣いていた。




(はぁ…まったく…)




「…先輩、顔上げて下さい」




「ぐすん…んぅ~?」



私の声に顔を上げた先輩は、上目遣い&潤んだ瞳で私の事を見つめてきた。
私はそんな先輩の唇に顔を落とす。




「ちゅっ」




「!」




顔を離し、唇に付いていた食べカスを飲み込む。
どうやら先輩の朝ごはんは食パンだったみたいだ。




「あずにゃん…」




そんな事を考えていたら、先輩はじーんとした顔で私の名前を呼んだ。




「か、勘違いしないで下さい!食べカスが付いていたんで取ってあげたんです!ほら早く学校行きますよ、遅刻しちゃいます!」




私は自分のした行為に今更ながら恥ずかしくなり、先輩を置いて早足で歩き出す。
さっきまで泣いていたはずの先輩の顔は、もう笑顔になっていて。
ニコニコしながら私の隣まで駆けてくる先輩。
そんな先輩が早く追いつけるようにと、ゆっくりと早足で歩く私。



昨日の大人っぽい唯先輩ももちろん素敵だったけど、結局、私はどんな先輩でも大好きなんです。






fin♪






ここまで読んで下さりありがとうございます。
この【いつもと違うあなた】は「ヘアピン」を題材にして書いてみました。少しパロディチックすぎましたかね…。
イケメン唯(ヘアピンなし)の方は、二期アニメ新EDの唯を想像して読んで下さると良いと思いますw
あの唯は反則ですよね…。あずにゃんがメロメロになるわけです。

いつもの如く誤字・脱字見つけた方は指摘して下さると嬉しいです♪
ではでは!

| 【いつもと違うあなた】 | 12:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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